「Harmonize(ハーモナイズ)」は、相対音感や純正律の感覚をゲーム感覚で鍛えられる音感トレーニングアプリ です。
吹奏楽やオーケストラで音程を磨きたい方はもちろん、歌の音程に苦手意識がある方、ギターやピアノのような平均律の楽器には慣れていても、フレットレス楽器やハモりに難しさを感じる方にも向いています。
このアプリでは、正解の和音を耳で覚え、自分の操作で同じ響きを作っていきます。単なる知識ではなく、耳で違いを感じながら音程感覚を育てていける のが特徴です。
こんな方におすすめ
- 相対音感を鍛えたい
- 純正律の響きを体で覚えたい
- ハモりやピッチの安定感を良くしたい
- 楽器のチューニングに近い感覚で音感練習したい
- 音程の「合っている」「ズレている」を感覚的に掴みたい
アプリを作った理由

このアプリを作ったきっかけは、自分が大人になってからコントラバスを習い始めたことでした。今まで触れてきたのは、エレキベースやクラシックギターのようにフレットがある楽器が中心です。その感覚のままフレットレスの弦楽器に向き合うと、音程の粗さがそのまま表に出る ことを痛感しました。
そこで考えたのが、耳を頼りに音程を合わせる感覚を、もっと効率よく練習できる方法です。そうして作ったのが、この Harmonize です。
「コントラバスは低音だから、多少ズレてもそこまで目立たないだろう」と甘く考えていましたが、実際はかなりシビアでした。レッスンでは何度も音程を注意されましたが、練習を重ねるうちに少しずつ改善していきました。
Harmonizeアプリで音感トレーニングしてみよう!

Harmonize では、正解の和音と同じ響きを自分で作っていく ことで音感を鍛えます。
最初に正解の和音が流れ、その後は画面を操作しながら音程を少しずつ調整していきます。耳で「うなり」が減っていくポイントを探し、響きがきれいに重なる位置を目指します。感覚としては、楽器のチューニングやハモりの微調整にかなり近いです。
二胡奏者の小林さんが、Harmonize の遊び方を動画でわかりやすく紹介してくださいました。現在のバージョンでは、すべての和音が純正律に対応しています。
セントとは?

アプリのスコアには「セント」という単位が出てきます。これは、音程のズレを細かく表すための単位 です。
1オクターブは 12 個の半音でできていますが、半音単位だけではズレの細かさを表しきれません。そこで、半音を 100 等分したものが 1 セント です。
つまり、20 セントなら半音の 1/5、10 セントなら半音の 1/10 です。Harmonize では、このセントのズレを見ながら「どれくらい正解の和音に近かったか」を確認できます。
セントという言葉は、英語の cent と同じく「100分の1」という感覚だと覚えるとわかりやすいです。
純正律と平均律

このアプリでは、純正律 を基準に和音を作っています。
まず、普段よく使われている 平均律 は、1オクターブを均等に 12 分割した考え方です。ピアノやギターなど、多くの現代楽器はこの平均律を前提にしています。
一方の 純正律 は、音同士の周波数比がきれいに響く関係を重視した考え方です。たとえば「ド」と「ミ」の関係では、平均律なら 400 セントですが、純正律では少し低くなります。
$$ \mathrm{cents}_{\mathrm{JI}}=1200\log_2!\left(\frac{5}{4}\right) \approx386.314\ \mathrm{cents} $$
つまり、純正律の「ミ」は平均律より約 14 セント低い位置になります。数値だけ見ると小さな違いですが、和音として鳴らすと響きの透明感に差が出ます。
少し理屈っぽくなりましたが、次の動画を聴くと違いがわかりやすいです。50 秒あたりから、平均律と純正律の和音比較が始まります。
正弦波のような単純な音色では、純正律と平均律の違いは特にわかりやすくなります。逆に、ピアノやギターのように倍音が豊富な楽器では差が少し感じ取りづらくなります。それでも、和音がぴたりとはまったときの「濁りの少なさ」は、耳でしっかり体感できます。
ちなみに純正律ギターのような面白い例もあります。フレットが不規則で、見た目だけでもかなり独特です。
終わりに

Harmonize で純正律の和音を合わせるコツは、うなりを小さくしていくこと です。楽器のチューニングのように「ウォーン、ウォーン」と鳴るウルフトーンが弱まり、響きがすっと澄んだ瞬間が正解に近いポイントです。
知識として純正律を理解するだけでなく、耳と指先でその違いを体感できる のがこのアプリの面白さだと思っています。音程に苦手意識がある方も、ぜひ気軽に試してみてください。
