Unicchi the sea urchin beside a rising scale on a staff — eyecatch for Harmonize's Scale stage column

The "right" Do-Re-Mi isn't just one pitch — Pythagorean tuning in the Scale stage, and scales from around the world

The Scale stage in Harmonize plays you a melody, and you rebuild it note by note, tuning each pitch by ear. Somewhere along the way you may have wondered: what exactly is the “correct” pitch the game is checking me against? The natural guess is equal temperament — the tuning of pianos and tuner apps. Or, if you have read the chord-stage article , you might guess just intonation, the tuning where beats disappear. It is neither. The Scale stage places its targets on a third ruler: Pythagorean tuning. ...

公開: 2026年7月13日 · Toshihiko Arai
うにっちと上昇する音階の五線譜。ドレミの「正しい高さ」は、ひとつじゃない——Harmonize音階ステージのアイキャッチ

ドレミの「正しい高さ」は、ひとつじゃない——音階ステージのピタゴラス音律と、世界の音階たち

Harmonize の音階ステージは、お手本の旋律を聴いて、一音ずつ自分で高さを合わせていくゲームです。遊んでいて、こんな疑問を持った方がいるかもしれません。あの「正解の高さ」は、いったい何を基準に決まっているのか。 ピアノやチューナーと同じ平均律だろう、と思うのが自然です。あるいは、和音ステージの記事 を読んだ方なら、うなりが消える純正律を思い浮かべるかもしれません。ところが、どちらでもありません。音階ステージの正解は、ピタゴラス音律という、また別の物差しで置かれています。 なぜわざわざ3つ目の物差しを持ち出すのか。実はここに、「和音の正しさ」と「旋律の正しさ」は別物だ、という音楽の面白い性質が隠れています。 同じ「ミ」でも、和音と旋律では正解が違う 和音ステージの正解だった純正律は、周波数がきれいな整数比になる高さです。ドとミなら 5:4。このときうなりが消えて、響きがひとつに溶けます。 ところが、この「和音として完璧なミ」を取り出して、ドレミファ…と旋律の中で歌ってみると、多くの人の耳には少し低く、ぶら下がって聞こえます。逆に、旋律としていきいきと聞こえる高めのミで和音を鳴らすと、今度はうなりが出てにごる。同じ「ミ」という音でも、和音の中での正解と、旋律の中での正解は、高さが違うのです。 図の単位はセントといって、半音を100とする音程の物差しです。純正律のミは主音から386セント、ピアノ(平均律)は400、そしてピタゴラス音律は408。その差はたった22セント、半音の5分の1ほどですが、耳はこの違いをちゃんと聞き分けます。合唱や弦楽器の奏者が「3度は和音なら低め、旋律なら高めに取れ」と教わるのは、まさにこのことです。 そして無伴奏で旋律だけを歌う・弾くとき、優れた奏者が自然に選ぶ高さを説明できるのが、ピタゴラス音律です。音階ステージは旋律の練習なので、正解もこちらに置いてあります。 ピタゴラス音律——5度をひたすら積み重ねる ピタゴラス音律は、名前のとおり古代ギリシャのピタゴラス(紀元前6世紀ごろ)に帰される、記録に残るかぎり最古の調律理論です。仕組みは拍子抜けするほどシンプルで、使う材料は完全5度(周波数比 3:2、702セント)ただひとつ。ドから5度ずつ積み上げていくだけです。 ドから5度上がるとソ。ソからもう5度上がるとレ(オクターブ内に折り返して204セント)。さらにラ(906)、ミ(1608、折り返して408)、シ(1110)。ファだけは逆に、ドから5度下がって作ります(498)。これで白鍵の7音、つまりドレミファソラシが全部そろいます。 こうして作った音階には、はっきりした個性があります。全音(ドとレの間)は204セントと平均律よりわずかに広く、半音(ミとファ、シとドの間)は90セントとかなり狭い。とくに大事なのが第7音のシ、いわゆる導音です。ピタゴラスのシは1110セントと3つの音律の中でいちばん高く、主音のドまであと90セントしかありません。 この「高い導音・狭い半音」が、旋律に推進力を与えます。シがドのすぐ近くまで迫っているから、次の瞬間ドに解決したくなる。旋律が前へ前へ進んで聞こえる。バイオリニストや声楽家が無伴奏の旋律で自然にやっている音程の取り方(旋律的イントネーションと呼ばれます)が、2500年前の単純な理屈とほぼ一致するのは、ちょっと感動的ですらあります。 ちなみに Harmonize では、ステージごとに音律を使い分けています。和音・分散和音のステージは響きが溶ける純正律、音階ステージは旋律が進むピタゴラス。ゲームを行き来するだけで、耳がふたつの「正しさ」を体験できる作りになっています。なお、調そのものの位置(主音の絶対的な高さ)は設定の基準ピッチに従って平均律で置いているので、他の楽器と合わせても違和感はありません。 ゲームに登場する音階たち ここからは、音階ステージに収録されている音階を楽譜で見ていきます。どのカテゴリも「ドから」だけでなく、レから、ミから……と各音を出発点にした問題が上行・下行で出題されるので、楽譜は基本形(ドから1オクターブ)を載せます。 長音階——すべての基準 いちばんおなじみの、明るいドレミファソラシド。半音がミ・ファ間とシ・ド間の2か所だけにある、この配置がすべての基準になります。ピタゴラス音律ではこの半音が90セントと狭く、とくにシからドへ上がる最後の一歩に「帰ってきた」という感覚が生まれます。 面白いのは出発点を変えたときです。同じ7音をレから並べ直すと、どこか物憂げな響きに変わります。これは教会旋法と呼ばれる古い音階の世界(レから始めればドリアン旋法)で、ジャズやゲーム音楽では今も現役の語彙です。音階ステージの「各音から始める」問題は、知らないうちにこの旋法の響きを一巡りする作りになっています。 和声的短音階——増2度のエキゾチックな飛躍 短調の音階に「導音がほしい」という理由で第7音だけを高くした、いわば人工の音階です。その代償として、ラ♭からシへ318セントという大きな段差(増2度)が生まれました。全音1個半ぶんのこの跳躍が、アラビア風とも形容されるエキゾチックな香りの正体です。理屈で作った音階に、思いがけない個性が宿った好例です。 旋律的短音階——上りと下りで形が変わる 和声的短音階の増2度は旋律としては歌いにくい。そこで上るときは第6音も一緒に上げてなめらかにし、下るときは導音が不要なので自然な短音階に戻す——という、上りと下りで姿を変える音階です。収録カテゴリの中で唯一、上行と下行が別の形をしています。ゲームで下行問題が出たとき、上りの記憶のまま歌うと引っかかる、いい練習台です。 ペンタトニック——半音のない5音 ドレミソラ。ファとシを抜いた5音の音階で、半音がひとつもありません。どの音からどの音へ動いてもぶつかる感じがしないので、世界中の民謡がこの形に行き着きました。スコットランド民謡も、日本のわらべうたも、ロックのギターソロも、この5音の上に乗っています。出発点を変えれば明るくも哀しくも響く、メジャーとマイナーを一身に抱えた音階です。 琉球音階——いきなり長3度 ド・ミ・ファ・ソ・シ。沖縄民謡のあの響きです。レを飛ばしてドからいきなりミへ、3度で立ち上がる出だしが強烈な個性を作ります。本土のペンタトニックとは逆に、半音(ミ・ファ間、シ・ド間)をしっかり含んでいるのも特徴で、ピタゴラスの狭い90セントの半音が南国の照り返しのような明るさに効いています。 都節音階——江戸の陰影 ド・レ♭・ファ・ソ・ラ♭。お座敷の三味線や箏曲でおなじみの、陰影の深い音階です。主音のすぐ上に半音で寄り添うレ♭が、あの湿度のある翳りを生みます。琉球音階とちょうど対になる存在で、同じ5音・半音入りでも、半音を置く場所が変わるだけで南国の明るさが江戸の粋に変わる——音階の配置の妙をいちばん実感できる2つです。 ハンガリアン・マイナー——増2度がふたつ 和声的短音階の第4音をさらに上げて、増2度の段差を2か所に増やした音階です。東欧の民族音楽、とくにロマの音楽で使われ、リストやブラームスが好んで書きました。増2度をひとつ歌うだけでも難しいのに、それが二段重ねで出てくる、収録中屈指の歌いごたえです。 ブルース・スケール——きまじめな音律の中の異物 ド・ミ♭・ファ・ファ♯・ソ・シ♭。真ん中に挟まったファ♯がブルーノートです。本来ブルーノートは声で「ずり上げる」音で、楽譜に書ききれない揺らぎそのものなのですが、音階として固定するならここ、という位置に置かれています。ピタゴラスで取るとこのファ♯は612セント。かつて「悪魔の音程」と呼ばれた増4度で、きまじめな音律の中にわざと異物を混ぜたような、その居心地の悪さがブルースの味になります。 全音音階——半音のない浮遊感 ド・レ・ミ・ファ♯・ソ♯・ラ♯。すべての隣り合う音が全音、つまり完全に等間隔の音階です。半音の「寄りかかる先」がどこにもないため、主音の重力が消えて、夢の中のような浮遊感が生まれます。ドビュッシーが愛用したことで有名です。 ここだけ正直に種明かしをすると、この音階に限っては判定も平均律の200セント刻みです。ピタゴラスの全音204セントで6個積むと1224セントになり、オクターブ(1200)を通り過ぎてしまって音階が閉じないのです。等間隔という発想自体が平均律的な音階なので、ここは平均律で取るのが正解、という判断です。 半音階——実は半音には2種類ある 12個の半音を全部順番になぞる、いわば音階の最終試験です。そしてここに、ピタゴラス音律のいちばんマニアックな顔が出てきます。平均律ならどの半音も100セントで同じですが、ピタゴラスでは半音に2種類あるのです。ミ→ファのような「隣の音名へ移る半音」は90セント、ド→ド♯のような「同じ音名に♯が付く半音」は114セント。楽譜の上では同じ「半音」でも、幅が違う。 ゲームの半音階カテゴリはこの2種類が入り混じって出てくるので、耳のいい人ほど「半音のはずなのに、歩幅が揃っていない」ことに気づくはずです。それは間違いではなく、ピタゴラス音律の正直な姿です。なお半音階の問題は、いきなり12音ではなく、ミ・ファのようなよく知る半音から始めて3音、5音、フル、と段階的に増えていきます。 耳は、文脈で物差しを持ち替える 平均律・純正律・ピタゴラス。3つの物差しを見てきましたが、どれかが唯一の正解というわけではありません。ピアノは12の調を平等に扱うために平均律を選び、合唱は和音を溶かすために純正律へ寄り、無伴奏の旋律はピタゴラスへ寄る。優れた音楽家の耳は、その場の文脈に合わせて物差しを持ち替えています。 Harmonize の和音ステージと音階ステージを続けて遊ぶと、この持ち替えを自分の耳で体験できます。和音で「溶ける低めのミ」を探した直後に、音階で「前へ進む高めのミ」を歌う。22セントの往復が耳に馴染んできたら、それはもう立派に、音律を聴き分ける耳です。 音階ステージは PRO ステージとして収録しています(マスコットはアイキャッチのうにっちです)。世界の音階を耳でなぞってみたい方は、ぜひ試してみてください。 Harmonize 相対音感と純正律の感覚を鍛える音感トレーニングアプリ 今すぐ無料でダウンロード App StoreGoogle Play

公開: 2026年7月13日 · Toshihiko Arai
Ebifurya and Kakifurya blending C-E-G together — the eyecatch for Harmonize's chord stage

Why piano chords sound a little muddy — equal temperament, just intonation, and when the beats vanish

Playing the chord stage in Harmonize, you keep meeting a certain moment. As you nudge your own note little by little, the sound that was throbbing “wah-wah” suddenly goes quiet at one spot. The seams between the three notes disappear, and they melt into a single pillar of sound. What is your ear catching in that instant? And here is the twist — that clean, blended sound is something a piano literally cannot produce. Let’s talk about why. ...

公開: 2026年7月12日 · 更新: 2026年7月13日 · Toshihiko Arai
エビフリャーとカキフリャーがドミソをハモらせる、Harmonize和音ステージのアイキャッチ

なぜピアノの和音は少しにごっているのか——平均律と純正律、うなりが消える瞬間

Harmonize の和音ステージを遊んでいると、あの瞬間に出会います。 自分の音を少しずつ動かしていくと、それまで「わんわん」と波打っていた響きが、あるところでふっと静かになる。3つの音の境目が消えて、ひとつの音の柱になったように、スッと溶ける瞬間。 あのとき耳は何を捉えているのか。そして——実はあの澄んだ響き、ピアノでは原理的に出せません。その話をします。 「わんわん」の正体は、音のケンカ 高さがわずかに違う2つの音を同時に鳴らすと、音量が周期的にふくらんだりしぼんだりして聞こえます。これがうなりです。 2つの波は、重なって強め合ったり、逆向きにぶつかって打ち消し合ったりを繰り返します。その周期がそのまま音量の波になり、うなりの回数は2つの音の周波数の差そのものになります。440 Hz と 442 Hz なら、1秒間にちょうど2回「わんわん」といいます。 ピアノの調律師は、この回数を耳で数えながら弦を合わせています。Harmonize で「ゆっくり」ボタンを押してうなりを聴きやすくするのは、プロの調律とまったく同じ作業なのです。 ハモった和音は、周波数が「きれいな整数比」 うなりがぐっと減るのは、2つの音の倍音がぴったり重なるときです。 オクターブ … 周波数比 2:1 完全5度(ドとソ)… 3:2 長3度(ドとミ)… 5:4 こうしたきれいな整数比になると、お互いの倍音が同じ位置に並び、響きがひとつに溶けます。これが純正律の考え方です。澄んだハモリとは、物理的には「倍音がそろって重なること」なのです。うなりが消える仕組みそのものは、シリーズ記事「きれいな和音はなぜ『うなり』が消えるのか 」でも音を鳴らして確かめられます。 それなのに、ピアノは妥協している ところが現代のピアノは、純正律では調律されていません。オクターブを均等に12分割した平均律で調律されています。 平均律の長3度(ドとミ)は、純正な 5:4 よりも約14セント(半音の約14%)広くなっています。つまりピアノで「ドミソ」を弾くと、ミが常に少しだけ高く、和音は微かにうなり続けているのです。聴き慣れているので気づきませんが、これは狂いではなく仕様です。 なぜそんな妥協をするのか。純正律は「ハ長調のドミソ」は完璧でも、転調した瞬間に比率が崩れ、別の調ではひどくにごってしまうからです。どの調でもそこそこ美しく、を取ったのが平均律で、代償としてどの調でも完璧には溶けないことを受け入れました。鍵盤楽器が転調の自由を手に入れるための、歴史的な取引だったわけです。 聴き比べてみよう(デモ) 言葉より耳です。下のデモで、同じ「ドミソ」を平均律と純正律で鳴らし比べてみてください。長3度だけを取り出すと、うなりの違いがいちばんよくわかります。波形の表示を見ると、平均律は音量が「わんわん」と波打ち、純正律はまっすぐに近づくのが目でも確認できます。 うまく表示されないときは、デモを別タブで開く 。 純正律でも、音は完全には澄みきらない ここは正直に付け加えておきます。純正律にしたからといって、音のうなりがすべて消えるわけではありません。 消えるのは、和音を支えている低いほうの倍音どうしのうなり——「ドミソ」でいえば、耳がいちばん敏感に拾う土台の部分です。ゲームで「ハマった」と感じるのは、この層がそろった瞬間です。ところが実際の楽器の音には高い倍音がたくさん含まれていて、そこまで含めると話はもっと生々しくなります。弦は硬さのせいで倍音がわずかに整数比からずれますし(ピアノは特にそうです)、演奏の音程も完璧ではありません。いちばん高い成分まできっちりそろえるのは、平均律だろうと純正律だろうと無理な相談です。 面白いのは、その「完全には澄みきらない」ことが、必ずしも欠点ではない点です。もし澄んだサイン波だけでドミソを組めば、うなりはほとんど出ませんが、痩せて頼りない音になります。倍音がぶつかり、わずかに揺れるからこそ、和音は太く、生きて聞こえる。合唱やユニゾンの弦が艶やかなのも、少しずつ違う音源が重なって細かく揺れる、コーラス効果に近いものが働くからです。純正律が作るのは「無菌の完璧さ」ではなく、土台が澄んだうえで、その上ではほどよく賑わっている響きなのです。 ピアノにできないことを、声や弦はやる 音の高さを連続的に変えられる楽器——人間の声、弦楽器、金管——は、ピアノと違って和音の中で高さを微調整できます。優れた合唱団や弦楽四重奏は、和音を鳴らす瞬間に3度の音をわずかに低く取り、純正な響きへ寄せます。楽譜の上では同じ「ミ」でも、和音の中での役割に合わせて高さを変えているのです。アカペラの合唱がときにゾクッとするほど澄んで聞こえるのは、歌い手たちがこの「うなりゼロ」へその場で寄せているからです。 あなたがゲームでやっていたこと Harmonize の和音ステージで、うなりに耳を澄まし、響きが溶ける一点を探すあの作業。あれは、合唱団や弦楽四重奏が本番のステージでやっている耳の仕事と、同じ方向を向いています。ピアノの鍵盤には出せない、土台まで澄んだ和音を、あなたは自分の耳で探り当てていたのです。 次に和音ステージを開いたら、正解の少し手前で止めて、うなりの回数がだんだんゆっくりになる様子を聴いてみてください。毎秒10回が、5回になり、1回になり、そして土台のうなりがふっと消える。その最後の一歩が、平均律と純正律の間にある「14セント」の距離です。 和音ステージは、重音・和音で星を集めると解放されます。うなりが消える一点を、音で確かめながら相対音感を鍛えたい方は、ぜひ触ってみてください。 Harmonize 相対音感と純正律の感覚を鍛える音感トレーニングアプリ 今すぐ無料でダウンロード App StoreGoogle Play

公開: 2026年7月12日 · Toshihiko Arai
The bizen-jellyfish mascot, eyes closed, counting seconds in the quiet under a starry night sky

Is your ten seconds really ten? — Silent, a new stage where you count seconds in silence

Without looking at a clock, could you measure ten seconds by feel alone? Try it: close your eyes, count “one, two, three…” up to ten in your head, and stop. Check against a clock and you’ll usually find you were a little too long, or a little too short. It shifts with your mood and how tired you are, too. Your own inner “one second” is not as reliable as you’d think. ...

公開: 2026年7月11日 · 更新: 2026年7月12日 · Toshihiko Arai
夜空の下で目を閉じ、静けさの中で秒を数える備前クラゲのイラスト

あなたの10秒は、本当に10秒か ── 無音で秒を数える新ステージ「Silent」

時計を見ずに、感覚だけで10秒を測れるでしょうか。 やってみると、これが案外あてになりません。目を閉じて、心の中で「1、2、3……」と10まで数えてストップ。時計と見くらべると、たいてい少し長すぎたり短すぎたりします。その日の体調や気分でも変わる。自分の中の「1秒」は、思っているほど正確ではないのです。 その「どのくらいズレるんだろう」を、ちゃんと測れるゲームにしてみました。 無音で秒を数える、新しいステージ 筆者が個人開発している音感トレーニングアプリ Harmonize に、「Silent(サイレント)」という新しいステージを用意しました。音の高さを聴き分けるこれまでのステージとは毛色が違う、時間の感覚だけを試すステージです。 ルールは単純です。メトロノームが1秒刻みで「5、4、3、2、1、GO!」とカウントダウンして、そこから完全な無音になります。あとは心の中で秒を数えて、ぴったりだと思った瞬間にストップを押すだけ。時計は見えません。頼れるのは、最初のカウントダウンで体に入れた「1秒の長さ」と、自分の体内時計だけです。ズレの割合で星がつきます。10秒のお題なら、誤差1秒以内でクリアです。 タイム感を養うというと、メトロノームに合わせたリズム練習が定番ですが、こういうお遊びで鍛えるのもひとつの手だと思うのです。ルールを覚える必要すらないので、家族や友達と「誰がいちばん近いか」で競っても盛り上がります。 Harmonize 相対音感と純正律の感覚を鍛える音感トレーニングアプリ 今すぐ無料でダウンロード App StoreGoogle Play 数字だけ見ると簡単そうですが、やってみると、これがなかなか当たりません。そして面白いのは、当たらない理由のほうです。 頭の中は、思ったよりうるさい 10秒なら、あっという間です。ところがお題が30秒、1分と延びていくと、様子が変わってきます。無音の中で「1、2、3……」と数えているあいだ、頭の中がまったく静かではないことに気づくのです。 エアコンの音、外を通る車、自分の呼吸。そういう外の音に気を取られたかと思えば、「いま数えるの速くなってないか」「そういえばあのメール返してない」——雑念が次から次に湧いてきます。数を数えるだけの単純な作業のはずが、集中はすぐ切れる。雑念に気づいて数に戻る、また逸れる、また戻る。この繰り返しです。 あるとき気づきました。これは、ほとんど瞑想です。座禅には呼吸をひとつずつ数えて心を鎮める方法があるといいます。静かな場所で、単純なひとつのことに意識を留め続けようとして、逸れては戻る——長丁場の秒数えの中身は、まさにそれでした。ぴったりを当てるコツは、結局のところ、雑念に持っていかれずに淡々と数え続けることに尽きます。言ってみれば、点数のつく瞑想です。 そういえば、無音の「曲」がありました 長いお題を作りながら、ふと思い出した曲があります。ジョン・ケージという作曲家が1952年に発表した『4分33秒』です。 これがとにかく妙な曲で、楽譜に書いてあるのは「休み」の指示だけ。奏者は楽器の前で身構えるものの、4分33秒のあいだ一音も出しません。有名な初演では、ピアニストがピアノの蓋をそっと開け閉めして楽章の区切りを示しただけだったと伝えられています。これを音楽と呼んでいいのか、当時も賛否が割れたそうですし、正直、いま聞いても「なんだそれ」と思うのが普通の反応だと思います。ただ、本人はいたって真面目でした。演奏が無いと、そのぶん、ふだん聞き流している音のほうが立ち上がってくる。初演で客席に届いたのは、外を渡る風や、屋根を打つ雨や、「これは何なんだ」というざわめきだったと伝えられています。無音のはずの時間が、その場の音でいっぱいだった、というわけです。 秒数えのゲームと直接の関係はありません。ただ、静かにしていると自分の呼吸や外の物音が妙に大きく聞こえてくる、という体験はどこか重なります。せっかく思い出したので、ステージの最後のお題は、この曲と同じ4分33秒にしました。 キノコのジャケットの話 筆者がこの盤に出会ったのは、昔、バンドをやっていた頃です。CDショップで前衛だの実験音楽だのの棚を掘り漁るのが好きで、ジョン・ケージの名前はもちろん知っていましたが、手が伸びた理由は中身より先にジャケットでした。白地に黒いキノコがすっと立っている、やたら格好いい一枚。気分はほとんどジャケ買いです。イタリアのCramps Recordsが出していた「nova musicha」というシリーズの第1弾で、そこに『4分33秒』の録音が収められていました。無音の曲の入った盤のジャケットがキノコ。当時は意味が分からなかったのですが、これがずっと頭に残っていたのです。 John Cage / Cramps Records (Milano) 1974 John Cage(nova musicha n.1) 白地に黒キノコの、nova musicha シリーズ第1弾のジャケットです。『4分33秒』の録音のほか、おもちゃのピアノやラジオを使った曲など、ケージの変わった曲が一枚で見渡せます。 YouTubeで探す Amazonで探す ジャケット画像は Amazon の商品情報(John Cage『nova musicha n.1』, Cramps Records)より掲載しています。 で、なぜキノコなのか。あとから知ったのですが、ケージは菌類学会の立ち上げに関わるほどのキノコ好きだったそうで、ジャケットのキノコはその茶目っ気の表れだったようです。 自分の「1秒」を測ってみる ステージのお題は10秒から始まって、少しずつ長くなり、最後はあの4分33秒です。さすがに4分半を誤差1秒以内で当てられる人は、たぶんいません。それでも挑んでみると、自分の中の「1秒」が思っていたほどあてにならないことに気づいて、これが妙に面白い。時計に頼りきりの毎日で、体の中の時間がどれくらいズレているか、まずは10秒から確かめてみてください。

公開: 2026年7月11日 · 更新: 2026年7月12日 · Toshihiko Arai

harmonize FAQ — Gehörbildung

Diese Seite ist auf die Begriffe und das Verhalten in der App abgestimmt: Zielwert 0 Cent, Standard-Referenzton A = 442 Hz sowie die Modi Dyade, Akkord, Rhythmus, Polyrhythmus und weitere. Note Die Beschreibungen zu Bedienung und Einstellungen in diesem FAQ beziehen sich auf die iOS-Version von Harmonize. In der Android-Version können einzelne Bildschirme sowie Namen oder Positionen von Optionen abweichen. Über diese App F. Was für eine App ist harmonize? harmonize ist eine Trainings-App, mit der du dein Gefühl für Tonhöhe entwickelst: also die Fähigkeit, einen Ton mit Ohr und Finger auf die “richtige” Höhe zu bringen. Du legst die Stimmen zweier Figuren (Ebifurya und Kakifurya) übereinander und bewegst einen Ton mit dem Schieberegler nach oben oder unten, bis du die Stelle findest, an der die Schwebung verschwindet und der Klang klar wird. Neben den Tonhöhen-Modi (Dyaden, Akkorde, Mond, Tonleitern und Arpeggien) gibt es auch Rhythmus-Modi (Rhythmus und Polyrhythmus), ein Memory-Spiel (Takoyaki Memory) sowie ein kostenloses Metronom und Stimmgerät für die tägliche Übung. Die einzelnen Modi werden weiter unten unter “Modi und Stufen” vorgestellt. ...

公開: 2026年7月9日 · Toshihiko Arai

harmonize FAQ — 청음 훈련

이 페이지는 앱 안에서 쓰는 용어와 동작에 맞춰 작성했습니다. 목표는 0센트, 기본 기준 피치는 A = 442 Hz이며, 2음, 화음, 리듬, 폴리리듬 등 각 모드의 설명과도 맞추었습니다. Note 이 FAQ의 조작과 설정 설명은 iOS 버전 Harmonize를 기준으로 합니다. Android 버전에서는 일부 화면 구성이나 항목 이름, 위치가 다를 수 있습니다. 이 앱에 대해 Q. harmonize는 어떤 앱인가요? harmonize는 소리를 “정확한 높이"에 맞추는 감각, 즉 음감을 귀와 손가락으로 기르는 훈련 앱입니다. 두 캐릭터(Ebifurya와 Kakifurya)의 소리를 겹쳐 듣고, 슬라이더로 음높이를 위아래로 움직이면서 맥놀이가 사라지고 소리가 맑아지는 위치를 찾습니다. 음높이 훈련 모드(2음, 화음, 달, 음계, 아르페지오)뿐 아니라 리듬 모드(리듬과 폴리리듬), 기억 게임(Takoyaki Memory), 일상 연습에 쓸 수 있는 무료 메트로놈과 튜너도 들어 있습니다. 각 모드는 아래의 “모드와 스테이지"에서 다시 소개합니다. ...

公開: 2026年7月9日 · Toshihiko Arai
Harmonize: Gehörbildungs-App für relatives Hören und reine Stimmung

Harmonize: Gehörbildungs-App für relatives Hören und reine Stimmung

Harmonize ist eine Gehörbildungs-App, mit der du relatives Hören und ein Gefühl für reine Stimmung durch praktisches Hören trainieren kannst. Die App eignet sich für Musikerinnen und Musiker in Blasorchester, Orchester oder Ensemble, die ihre Intonation verbessern möchten. Sie hilft auch Sängerinnen und Sängern, die stabiler singen wollen, und Menschen, die an gleichstufig gestimmte Instrumente wie Gitarre oder Klavier gewöhnt sind, aber bei bundlosen Instrumenten oder beim Singen von Harmonien Schwierigkeiten haben. ...

公開: 2026年7月9日 · Toshihiko Arai
Harmonize: 상대음감과 순정률 감각을 기르는 청음 훈련 앱

Harmonize: 상대음감과 순정률 감각을 기르는 청음 훈련 앱

Harmonize는 상대음감과 순정률 감각을 실제로 들으며 훈련할 수 있는 청음 훈련 앱입니다. 관악단이나 오케스트라에서 음정을 더 정확하게 맞추고 싶은 분, 노래의 음정을 안정시키고 싶은 분, 기타나 피아노처럼 평균율 악기에는 익숙하지만 프렛이 없는 악기나 화음 맞추기가 어렵게 느껴지는 분에게 잘 맞습니다. Harmonize에서는 먼저 기준 화음을 듣고, 화면을 조작해 같은 울림을 직접 만들어 갑니다. 이론만 배우는 것이 아니라, 귀로 차이를 느끼면서 음정 감각을 키우는 것이 핵심입니다. 이런 분께 추천합니다 상대음감을 훈련하고 싶은 분 순정률의 울림을 실제로 느껴 보고 싶은 분 화음과 음정 안정감을 높이고 싶은 분 악기 튜닝에 가까운 감각으로 청음 훈련을 하고 싶은 분 음정이 맞는지, 얼마나 벗어났는지를 직관적으로 알고 싶은 분 이 앱을 만든 이유 ...

公開: 2026年7月9日 · Toshihiko Arai